千葉日報

2002年8月25日

 

 

 

 

「ウィズ エブリワン」 NPO法人を取得


 市原市を中心に幅広い交流活動を進めている「ウィズ エブリワン」(倉田知典 理事長、会員約百六十人)が今月六日、正式にNPO(特定非営利活動)法人を取得した。健常者や障碍(がい)者、ボランティアなどの枠を取り払い、すべてが対等の仲間づくり を基本理念に、テーマの「心のハーモニー社会」実現を目指しており、「これからも定例会や交流会で仲間の輪を広げ、行政施策への参画などを積極的に実現していきたい」と話している。
 「ウィズ エブリワン」は十一年前の九一年六月、市原市を中心に十二人の有志でスタートした。当初から健常者や障碍者、さらにボランティアなどの枠を取り払い、すべての人々が対等で個性ある人間として尊重し合い、交流していくグループとして友達作りを進めてきた。
 「障害者」ではなく「障碍者」の用語にこだわるのもこうした理念からで、倉田 理事長は「しょうがい」は本人にとって「妨げ」になっても他人を「害」してはおらず、「邪魔なもの」という意味がある「害」は使うべきではないはず、と話す。
 この十一年間、毎月の例会や講習会のほかレクリエーション、小旅行、宿泊キャンプ、ジェフ市原のサッカー観戦など活発に行動。さらにHPなどを使って、テーマとしている「心のハーモニー社会」の実現を呼び掛けるなど徐々に仲間の輪が広がり、現在は一都四県・百六十人の仲間を数える。行政へのアプローチや提案にも積極的で、ハンディキャップ体験を一緒に開催し、駅へのエスカレーター設置などを実現。また人にやさしいまちづくりの提案、福祉マップの制作なども行ってきた。
 今回のNPO法人の認証取得に当たっては昨年四月から準備を進め、ことし四月に法人を設立。五月に県に申請し、今月六日正式に登記された。
 倉田理事長は「これまでの任意団体では限界のあった行政施策への参画や学校、企業、団体などが主催する福祉関係の授業、講習などに講師を派遣していきたい。またこれまで通り仲間作りを進めていきたいので興味のある人は気軽に参加してほしい」と話している。