私がウィズエブリワンに初めて参加したのは、昨年の7月でした。学生時代からスポーツに親しみ、元気がとりえの私でしたが、当時は体調をくずして激しい運動は止められ、おまけに指まで骨折していました。そんな時シティライフで見つけたのが、ウィズエブリワンの活動でした。
以前から職場以外で仲間づくりをしたい、と考えていたので「障害者が一緒なら、無理な活動はしないだろう。保母という自分の仕事柄、世話をするのは苦にならないし」と、安易な気持ちで参加しました。しかし実際に車椅子の人に接したら、何をして欲しいのか何をしたら良いのか、全く分かりませんでした。不安がる私に「イヤだったら、いくらでもやめられる。もっと知ってからにすれば」と、同じく参加した人に言われ、「よく分からないからという理由でやめるのはよそう」と考え直したのでした。
私が育った家は、祖母のやり方全てに絶対でした。女性はこの日に髪を洗ってはいけない。洋服を新しく下ろす日はこの日。正月6日間は肉、魚、青野菜を食べてはいけない。こんな風に日常茶飯事に絶対がたくさんありました。歓迎していたわけではありませんが、その環境の中で育った私には当たり前になっていました。就職して先輩達から「人に迷惑をかけるようなことは別として、生活の中に絶対ってないんだよ」と言われ、徐々に私の人生観は変わっていきました。「みんなで生きていく上でルールは必要だけど、自分のルールを押し付けるのはやめよう」と思ったのです。割り切れるようになるには数年かかりましたが、いろいろな出会いが私を柔軟に変えてくれたように思います。
2回目のエブリワンの活動では、自由行動でデパートに行きました。行動を共にするうちに、障害者の食事やトイレも理解でき、私ができることも分かってきました。思えば、この子はどんな性格?どこまで1人でできる?と考える保母の仕事と同じだったのです。仕事と違うのは、イヤだったらやらなくても良いということでした。そして、友人という点では障害者も健常者もかわりはなかったのです。
これまで私の周りに障害者はいませんでした。自分と違う動きに対して、最初は驚くこともあります。何をしてもゆっくりのスローテンポに苦痛さえ感じました。しかし、障害者を理解していく中で、ゆっくりの大切さも分かってきたのです。これまで子供達に「はやく、早く。ガンバッテ」を繰り返していた私も「ゆっくりでいいんだよ」と言えるようになりました。
人生進むばかりでなく、立ち止まったり、後ろを振り返ったり、時には後戻りをしたり。きっとそうしているうちに、良い方法が見つかるような気がします。「自分も少しは役に立てるかも」と、思って入会したウィズエブリワンの活動でしたが、私にとって学ぶことや教えられることのほうが多かったのです。 |