千葉日報
記事 1998年12月21日
「障害者の自立へ広く講演」 倉田知典 さん
障害者の自立と健常者との共生を目標に幅広い活動を繰り広げている「市原 ウィズ エブリワン」の会長を務める
市原市姉崎の出身。8ヶ月の未熟児で生まれたため全面介助を要する重度の障害者で両手が不自由だが、足で操作するコンピューター・グラフィックで千葉市美術協会会員に推挙されるなどハンディを感じさせない積極さが身上。
ウィズ エブリワン は1991年にスタート。行動する倉田知典会長を中心に輪が広がり、現在100人(うち障害者3割)の会員を数える。「ノーマライゼーションはお互いのコミュニケーションから」が持論で、その活動も「ボランティアではなく友達づくりを進める交流グループ」と話す。
毎月のレクリェーションなどと合わせ「住みよいまちづくり」を目指し、行政を巻き込む形でハンディキャップ体験などを実施。こうした活動が実り、JR八幡宿駅には橋上化とともに車いすでも利用可能なエスカレーターが設置されたほか五井、姉ヶ崎駅でも近く同様の施設が実現する。
ことし市から保健福祉懇話会委員を委嘱された倉田さんは「障害者らを取り巻く現状を多くの人たちに知ってもらうためにも高校や大学などいろいろなところで講演活動を広げていきたい」と希望を話す。