JOG-COMPO(りゅう@千葉市バージョン)


講師:りゅう@千葉市

はじめに
リアタイヤ10インチのJOGコンポはこれまで製作されている。
しかしながら、前後8インチでオリジナルのディメンションに近い
JOGコンポの製作はまだ行われていない。
そこでJOGコンポの8インチバージョンの作成を試みた。
使用するエンジンは旧JOG(縦型エンジンの2JAタイプ)である。

エンジン搭載
2JAのエンジンのみとE/gハンガーからマウントしたJOGコンポを
乗り比べる機会があった。
2JAエンジンは振動が多いがE/gハンガーから移植すると
エンジンマウント部にゴムブッシュが入っているため
かなり振動が緩和される。
エンジンマウントから移植となるとモトコンポのフレームを2cmほど広げないと
いけないのでちょっとしたコツが必要になる。
車用のジャッキを使用するのはこれまでと同じである。
フレームを広げるに当たり、従来カットしていたステップ下の
パイプを残すためまずこのパイプ部分を押し広げる。
その次にのフレームのエンジンマウント部を広げていく。
JOGのE/gハンガーを当てながら寸法を確認しながら行うこと。
途中でジャッキの向きを変えた方が左右均等な膨らみ方をする。
エンジンマウントが入ったらボルトで固定する。
ボルトはJOGのエンジンマウント用を使用する。
次にエンジンを載せリアショックも取り付ける。
キャブレターやマフラーのエキゾーストと干渉しない位置に
E/gハンガーを調整する。

位置が決まったらハンガーが動かないように長いボルトで固定する。
ボルトはM10、225mm長のモノを使用した。
高さ調整にM8-15mmのボルトを使うとよい。

これによりエンジンの取り付け位置が下方向にずれるため
キャブレターの高さがフュエルコックより下になり負圧ポンプが不要となる。
また、後方にマウント部がずれることによりウィリーしにくくなる。

 
 

8インチのRホイール
まず、リアホイールを探すことから始まった。
ヤマハのスクーターで8インチのホイールはあるのか?
ミントとキュートというスクーターがそうだという。
ブレーキシューの型番を調べると一緒なのでかなりの確率で
装着が可能だ。
唯一の心配はアクセルシャフトの形状と太さである。
ネットで調べたが合うか分からず博打状態で購入を決意。
現物あわせできっちりと入ったのでひとまず安心した。
なお、メットインJOGからはリアブレーキのドラム径が
合わないため装着できないので注意されたし!

リアショックは230mmこれによりオリジナルサイズに近くなっている。

エンジン、サスペンション、8インチホイールを取り付けると
上図のようになる。
 

リアフェンダー
10インチホイールだと各部に干渉して取り付けられなかった
リアフェンダーが小加工で取り付けられるようになった。

リアサスとの干渉部とエンジンカバーとの干渉部(上図参照)を
切断すれば装着が可能となる。
リアタイヤとバッテリーケースの位置が干渉したがバッテリーケースの辺りを手で外側に
強引に引張り出すことで解決した。
また、JOGのノーマルエアクリを装着させリアに荷重をかけるとバッテリーケースに
若干干渉したので角をカッターで切りフィッティングさせた。

テールライトベース
リアショックに230mmのものを使用したため乗車時に荷重が掛かると
下図のようにマフラーとテールライトベースの一部が干渉する。
そこでテールライトベースの一部を切取った。
さらに5mm程度の高さのスペーサーをベース取り付け部にかまして後方に
逃がした方がよさそうである。

ハーネス
メインハーネス等JOGから移植しているが
ハンドルスイッチ類はモトコンポ用を使用するため作り直している。
スイッチ類はホンダ製、メインハーネスはヤマハ製のため各社で
配線の色と役割が異なるので結線させるときは注意が必要である。
面倒ならJOGのハンドルスイッチ周りを移植することをお勧めする。
すると下記のわずらわしさから開放されるであろう

JOGとモトコンポの配線図からスイッチ関係の項目に着目していく。
すると何色が何の役割をしているか対比することが可能となる。
ホーンの配線だけはプラスの取り方とアースへの落とし方が異なるため
注意したほうがよい。スイッチを入れた瞬間にショートするので。。。

配線の接続にはなるべくカプラーを使用した。
カプラー自体は端子を引き抜くことで再利用ができる。
カプラーに使用する端子はほとんど110型端子でカー用品店の
電装関係のコーナーで入手が可能だ。
端子をかしめる電工ペンチ、配線を被覆するテープも購入した。

JOGにはセルモーターが付いているのでセルスイッチを付けると便利になる。
そこでカレンのセルスイッチ付きスロットルハウジングを利用した。
モトコとほとんど同形状なので違和感はない。
ただし、セル用の配線が短かったのでそこは延長した。

また、左ハンドルのウィンカー、ホーンなどの集合スイッチはカレン用を使用すると
ライトのON/OFF、Hi/Low切替えスイッチも付いているが配線が短いため
モトコ用を使用した。
ライトは常時点灯として、ライトON/OFFスイッチはHi/Low切替スイッチの代わりをさせた。

Hi/Lowを切り替えるには3極式のソケットが必要になる。
これはモンキーやCRM50などものが流用可能だ。
家に転がっていたCRM用を使用した。
モトコのライト側の爪(端子)をカットするか折り曲げることでソケットのゴムカバーが
完全に取りつけられる。

バッテリーは密閉式のMFバッテリーを使用するので電極は平ぎぼしを使用した。
JOG用のMFバッテリーを使用すればモトコのバッテリーケースを加工したところに
収めることが出来るが早く走りたいのでシートの下でしばらく遊ばせておく事にする(笑)
 

ワイヤー類
アクセルワイヤーもJOG用を加工してモトコのスロットルハウスが使用できるようにしてみた。

上がモトコのアクセルワイヤー、下がJOGのもの
モトコ用はアクセルハウジングにねじ込み式になっているが
JOG用はゴムブッシュ圧入しプレートで止めている。
そこでワイヤーのタイコを切り落とし、アクセルハウジングの
接続部を取り替え自作のタイコでワイヤーを作り替えた。
タイコはφ6mmの真鍮棒に穴を開けワイヤーを通した後はんだ付けで固定した。

しかし、実際に取り付けてみるとケーブルが長すぎた。。。(^^;
考えた挙句、Dio用のアクセルワイヤーで作り直すことにした。
キャブ側のワイヤーストッパーを切り、ワイヤーを引き抜く。
アウターを必要長にあわせてカット。
JOGのキャブ側はねじ込み式なのでジョイント部はJOG用から流用した。
あとはワイヤーを長さにあわせてカット。
アクセル側とキャブ側にアジャスターが付いているのである程度
長めにカットしてから切り詰めていく。
キャブ側のワイヤーストッパーには直径3ミリの真鍮パイプを5mmほどの長さに
切ったものを使用し、はんだ付けで止めた。
今度は長さもぴったり!

いよいよ完成へ!


仮組をしたらこのようになります。
これにガソリンタンクとオイルタンク、シェルを付けました。
燃料ラインに負圧ポンプを付けていたのだがJOGの負圧はキャブレターから
取っており、圧力も弱いためうまく機能しなかったので外してしまった。

さて、実走行させた感想だが、
・加速は良い(8インチが入っているから)。トップスピードは50km/h+α
 駆動系がへたってるので新品に交換するともう少し伸びそうである。
 ハイギアを入れるという手もある。
・シートへの振動は少ないがステップへの振動はある。ただしノーマルよりまし

欠点といえば、
・リアをインチダウンしたため地上高が下がり、バンク角が浅くなった。
 特に右カーブはマフラーと路面がキスするのが早い。。。
・センタースタンドが10インチ用なので使用するととんでもなくフロントが上方を向いてしまう。
 フロントを下げて駐車するとりアロックシステムが効かなくなる
のが悩み(笑)



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