H15.6.15京葉スピードランド


モトチャンプ'03.8月号より

モトチャンプ6月号を見て急遽、千葉県内で開催されるこのレースを知り、エントリーした。
7月27日のイワイサーキット第2戦に出場予定だったのだが、自宅からレース会場まで
結構近いこともありエントリーを決めた。

前回のレースでスピードコントロール基盤を焼損させたわけだが、
原因として最も可能性が高いのが過電流によるものと考えられる。
試走の時に使用していたバッテリーはスクーター用(2.5Ah)のものを3つ繋げたもの。
本番で使用したものが、実は10Ahを2つと8Ahの組合せ(^^;
「電池の容量が大きいと取り出せる電流も大きい」
という事実があるらしく、この事を知ったのは基盤を焼損させた後であった…

ならば今一度、XPORTのノーマル基盤で電流量を絞った状態でどこまで向上できるのか?
を確認してみたくなった。
また、ラジコン用モーターのHPにあったモーターの進角についてXPORTモーターでも
効果があるのか確認してみたくなった。
XPORTモーターと基盤ではこの2点について実験することにした。

そんな折り、XPOORT用内装3段ギア付きホイールの作成でお世話になったK's factoryのタクミさんより
36V仕様の基盤(4QD)とモーターを貸して頂けることになり、更に走行の楽しみが増えた。



▲フットデッキに貼ったK's factoryのステッカー

今回は、24V仕様と36V仕様の2系統のコントロールラインを装備した。
なぜかと言うと現地でコントローラーを交換するのは面倒なので仕様によって
バッテリーとモーターの繋ぎかえで対応したいからである…f(^^;
従ってアクセルも2つ、コントローラーも2つという奇妙な構造に…
アクセルのタイプが違って良かった(笑)
#コネクターの形状も違うので汎用性が無いんです。


4QDはオリジナルではなく、ブレーカーも装備した別のケースに設置されており
結構かさ張るのでXPORTの内部に納めることが難しいと判断し、
リアフェンダーの上に設置することにした。
ケースには4QDの文字とK's factoryの文字が光る!



7時前コースに到着。
サーキットは計測エリア以外、駐車場に割り当てられていた。
既に20台を超える車が駐車していた。
車の後部よりXPORTを降ろす。
バッテリーの充電ができるように、シガーソケットにインバーターのプラグを差し込み
100Vにした後、充電器を仕様する。
先日36V用のバッテリーをショートして壊してしまったため、オリジナルの24Vの充電器と
12V用充電器を用いて充電するようにした。
shampooさん達はすでに到着していて3台隣に駐車していた。

7時に受付開始。
あっさりと終了。
ハイパーカップでは、モトチャンプのマイレージゼッケンとは別ゼッケンを車両に貼ることとなっている。
フロントフェンダーかカウルの右側なのだが、XPORTは貼る場所が無いので、フットデッキに貼った。


8時15分を過ぎたところでミーティング開始。
今回のレースは午前の部と午後の部があるが、時間内は何回でも計測が可能であること、
試走エリアを授けたことなどを知らされた。

▲コース図。赤線間の50mを走りタイムを競う。

そこで、午前中は24V仕様を中心に午後は36V仕様を中心として、
天候を見ながら下記水準で進めて行くこととした。
1)24Vノーマル(2速固定:ノーマルと同仕様)
2)24Vノーマル、3段ギア使用
3)24V、モーター進角のみ。3段ギア使用
4)36V(2.5Ah)、XPORT基盤・モーター、3段ギア使用
5)36V(8Ah)、4QD基盤、XPORTモーター、3段ギア使用
6)36V
(8Ah)、4QD基盤、36Vモーター、3段ギア使用

9時をまわり、各車エンジン始動しウォームアップに余念がない。
しかし、電動スクーターの自分は前日にバッテリーの充電も終わっているのでやることが無い(^^;
1本目は水準1のフルノーマルで試走。タイム:10.046秒
スタート後すぐにトップスピードは頭打ち状態となる。
やはり、3段変速の恩恵は大きい…こんなものかなぁ。
2回目の走行は水準2。
前大会の1本目の走行条件と同じ水準である。タイムは8.775秒。
惜しい!0.06秒届かない。
3回目の走行も水準2をもう1本。
タイムは非凡な9.105秒。0.3秒落ちである。
乗っていてもスピードがアップしないのが体感できる(^^;

ここで、コミュテーター(モーターの電極)がスパークで酸化したていることが
考えられるので手入れを実施した。

その組付けの際にモーターの進角を試みた。
XPORTのモーターは磁石の付いている缶胴とベース部が別体式になっているので
コミュテーターに電流が入る位置とマグネットの位置が調整できるのである。
しかし、これはやり過ぎるとモーターを壊すことになるのでその量約5度とした。
進角させたモーターでのトライとなる水準3の4回目の走行は8.597秒。
5回目の走行も同水準で行い8.579秒。前回の記録を0.15秒更新した。

次にいよいよ36Vへのチャレンジ。
基盤への過電流防止も念頭に置き2.5Ahバッテリー36V仕様で水準4をトライする。

▲右がノーマルの12V-10Ah、左が12V-2.5Ah

6本目の走行は7.702秒。7回目の走行は7.574秒。
加速もスムースにいった。45m付近でガクンというショックがあったときには
「またか!?」
と思ったが基盤は壊れていなかった。
どうやらベルトのテンションが低いようで歯跳びを起こしたようであった。
取り敢えず、8秒の壁を突破し、当初の目標であったモトコンポのタイムを抜くことが出来た。
(モトコンポは7.6秒くらい)
8本目の走行で8.118秒と8秒台まで落ちたので2.5Ahによる走行は終了した。
走行後にモーターに触ってみたがモーター缶部は何ともないが、ベル部分が熱くなっていた。
36Vの使用では恐らくベル部の冷却を実施しないとモーターは確実にやられると思う。

十分に時間をおき、モーターを冷ましながら水準5に移るため
基盤とバッテリーの配線をつなぎ換えた。

▲白い配線がシリコンケーブル


使用したバッテリーは12V-8Ah×3個。
2つはバッテリーボックスの中に。残りの1つはスイングアームの下に。

この最中に空からパラパラと少しの雨が降ってきた。
XPORTは雨天での走行を考えて作られていないので、ちょっとあせる。
…が、暫くすると雨は上がった。
路面もドライのまま。

そして9本目の走行。タイムは7.900秒。
8秒の壁は破れることが分かったが、XPORTの基盤と比べてレスポンスが異なるので
変速タイミングも変更しなければならないことも分かった。
ここで、午前の部が終了した。

昼休みにXPORTのモーターを分解してみたが、やはりコミュテーターに
スパーク痕がありベル部のベース基盤が焦げ臭かった…


昼食を挟み13時から午後の部が再開。
午後は4QDと36Vモーターの組合せである水準6で走り切ることにした。

▲K's factoryから借りた36V用モーター


まずは1本目。7.737秒。
やはり3速後半で駆動系からガクンとショックがある。
しかしながら36V仕様だと8秒の壁はあっさりと切れた。
2本目は7.636秒。
やはり終盤に駆動系から駆動系のショックを受けた。
取り敢えずベルトの歯飛びを防ぐためにテンションを張り直して、
更に後輪の芯出しを行った後トライ!
その甲斐あってか3本目は7.155秒!本日の自己最高タイム


スタートは自分のタイミングで発進。
アクセルを捻りモーターへの駆動を感じたら足漕ぎでアシスト。


約10mほど通過したところで、シフトチェンジ!
ここから更に加速する。


シフトチェンジ後の加速中。25m地点ぐらいです。
空気抵抗を少しでも減らそうと体を小さく丸めています。
ゴール地点を見定めて、無駄な蛇行しないように…


赤いパイロンがゴール。
XPORTノーマル基盤+モーターで36V仕様だと
この地点(約40m地点)で既にトップスピード(35km/h)に達している。
4QD基盤+36Vモーターだとまだゆっくりと加速していく。
50m地点の終速が40km/hに達していると7秒台前半のタイムが出ている。
トップスピードはこのままで良いが加速性能を向上できれば5秒台後半がでる。
(zookのドラッグ仕様はトップスピードが40km/hしか出ないが5.8秒を記録しているため)
今後はよりトルクのあるモーターの採用がタイムアップにつながる鍵だと思う。



バッテリーを充電し4本目にトライ。
しかしタイムは落ちて7.913秒。
変速のタイミングがまだ完全に掴めていない。
最後の5本目は7.314秒。
集中力も体力も落ちてきたので本日のトライは終了とした。

なお XPORTモーターで36Vで走行するとコミュテーターのあるベル部分が
かなり熱を持つようになったが、
36Vモーターは何回走ってもベル部分が熱を帯びることはなかった。


梅雨入りして雨だけが心配で途中パラパラと小雨が来たが、
1日中曇りのコンディションでなんとか持ちこたえました。
曇りでも腕と首が真っ赤に日焼けしてしまった…(--;